最近、管釣り人が増えてきたためリール整備の依頼が多くなってきました。
リール整備は数をこなせばこなすほど新しい発見がある面白いモノです。
逆に、少しのミスで痛い経験をしたこともありますが、リール整備は大好きです。
個人的メモとして記事を書きます。
整備される方は参考にしていただければ幸いですが自己責任でお願いします。
尚、この記事はスピニングリールでのお話です。
リール整備にやってきたリールに対して一番にすることは、ハンドルを回すということ。
ただ単にハンドルを回すのではなくリールの構造を頭で想像してハンドルを回してみる。
マスターギアはハンドル一回転に対して一回転回るのでハンドルの同じ位置で重くなったりコリが定期的にくることがあればマスターギア関連(グリスの付け方やキズなど)。
そして、ピニオンギアはローター一回転に対して一回転なのでココも覚えておいて損はない。
次にオシュレート、スプールの往復に連動して動くモノをそれぞれ頭でイメージしながらハンドルを回す。
駆動系は旧ダイワ、シマノ系で多いクロスギア方式や最近のダイワで多いS時カム方式など様々な機構があるためそれぞれを熟知しておくというのが大前提だ。
クロスギア方式のクロスギアとクロスギアピンの間で生じるコリは独特で、リールを上に向けて巻く時と下に向けて巻く時でコリがでればクロスギアとそのピンに異常あり。(釣りをする範囲で問題なければ許容範囲とみなす)
クロスギアでコリが出るときは2000番クラスでスプールが最下部から最上部へ上がる時、もしくは、下がる時に4回ぐらいコリコリコリコリと感じる事が多い。
逆に上に向けても下に向けても同じオシュレート位置(最上部と最下部を除く)でコリがでるならシャフトや擦動子ガイドやオシュレーティングポストにキズが入ってる場合が多い。
S字カム系はS字カムが暴れている場合もある。
逆にオシュレートやハンドルの回転に関係なく不定期なコリはピニオン上部のベアリングの場合が多く、絶えずコリコリコリコリとあたるようなリールはギア間の隙間がまったくなかったりする。
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ここまでは大体バラす前に感じること。
それからバラすのだが、バラすときは異常を感じたトコ以外も注意深く見なければ異常を感じたトコのレスポンスが上がってスムーズになると他の場所も感じて、再度バラすことになりかねない。
逆にあまりわからないのは単純にものすごく巻きが重いリールで、こいつが一番厄介かもしれない。
巻きが重いということでなかなかリール内の情報がハンドルを通して伝わってこないのだ。
ギアがちゃんと回ってない場合か、縦軸にグリスが多量についている場合が多いが、
ひどい場合はベアリングが回っていなかったり、シャフトや擦動子ガイドが曲がっていたりしている可能性もあるからだ。結局はいろいろ複合して重くなっていることが多く純正の状態で普通に整備しつつ使っていればこうはならないのだが、、、、ごくまれにやってくるヤッチャイマシタ的リールもある。。。
いろんなノイズが複合しているリールほど厄介だがそれを整備しきった時は逆に愛着がわいたりするものだ。
最悪リールは自分を成長させてくれているのだからこれほど嬉しいものはない。
巻きは軽いけどコリザラがあるリールはまだそのコリザラの正体を見つければ良いが、巻きが異常に重いリールはいろいろ複合している可能性がある。
もちろん、組み方やグリスの付け方がダメでただ単に重いだけのリールもあるのも忘れてはならない。
相手の使用環境にも影響してきたりもするのでその辺りも聞かなくてはならない。
塩害が起きていたり、グリスでタプタプだったり、オイルでタプタプだったりネジを絞めすぎていたりといろいろだ。持ち主の性格に応じて変化するリールを見るのも一つの楽しみになってきていたりする。
そして組むときに心がけてほしいのはすべてのパーツがスムーズに回っているか?ということ、ピニオン、マスターギアの歯面のアタリよりも重要だと最近になって気づいたのだが、クロスギア用ギア、ピニオンギア、マスターギアそれぞれ連動して動くギア。どれかが回らなければその回らないギアがそのギア達のレスポンスになってしまうのだということ。
回らないギアは他のギアを殺すだけだということ。そして、すべてのギアがスムーズに回ったらそのギア達は自然に馴染み、喧嘩しない軽さを得るであろう。
もちろん、シャフトも同様で、ベアリングを介さないシャフトはピニオンギアという金属の中を金属のシャフトが通る。シャフト以外にもシャフトを暴れないようにする擦動子ガイドも金属のシャフトを上下するだけというかなり摩擦が発生しやすい構造で厄介モノの一つである。
ここには揮発しないオイルというのが絶対的に必要でIOS-01は抜群のベアリング効果とグリスから守るという効果を発揮してくれている。
結局、基本はすべてスムーズであればスムーズなリールになるということ。
ネジの閉め方も同じである。自分の使っているオイル、グリスの特性を熟知するということも重要だ。
あまり書いてしまうと仕事がなくなりそうなのでココまでにしときますが、、、、
まだまだ奥深いリール整備です。
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